3月30日(土)市民公開講座「いつかは死ぬんですが…整形の医者が語る かしこい老い方 かいしこい逝き方」
和歌山市第3在宅医療・介護連携推進センターでは、3月30日(土)アバローム紀の国において市民公開講座「いつかは死ぬんですが…整形の医者が語る かしこい老い方 かいしこい逝き方」を開催いたしました。
当日、天候の悪いなか300名近くの方々にご参加いただきました。開演前、演奏ボランティアの福本紗也乃(ふくもとさやの)さん、「しきな93」さんにご協力いただき、フルートとピアノ演奏、そして素敵な歌声がウェルカムミュージックとして会場を華やかなムードで包みました。
講演は、はぁとふるグループ理事長として、病院経営、高齢者施設や在宅医療など幅広く展開されている島田永和(しまだながかず)先生から、いかに最後まで自分らしく生きるのかについて、運動、栄養、社会活動の必要性の実例を挙げながらわかりやすく、ユーモアを交えながらお話されました。
島田先生は、参加者の皆様に向け、「自分の家族なら」「自分自身なら」積極的な延命か、点滴などの対応か、緩和的な対応をしてほしいか問いかけました。また、「どの選択を選んでも良いのです。最後まで自分らしく生きるうえで大切なのは、どのような治療を受けてどんな最後を迎えたいのか、自分が大切にしている価値観について、自分で決めること。それを、家族や周囲と話し合うことです。」と語られ、ACP(人生会議:人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組み)についても紹介されました。また、世の中で起こっている虐待やテロにについてもふれられ、これらを変えていくのは私たち大人の責任であり、“人生を生ききる姿を若者に見せていくこと”、その姿が人を育てると語られました。
最後に、「無理して生きよう」と呼びかけ、社会活動や外へ出る機会を心掛けて無理することも元気に生きる秘訣だと提案されました。質問では、元気を保つための方法として、理学療法士の経験をもつ、はぁとふるグループ 広報戦略室マネジャー 森本圭太氏による肩甲骨のストレッチが紹介され会場全員で実施し、最後の挨拶として、医療法人匡慈会 伏虎リハビリテーション病院 理事長院長 中谷匡登から、ご参加いただいた多くの方々、また今回ご協力いただいた方々に感謝の意が述べられました。
講演終了後には、伏虎リハビリテーション病院主催による著書販売・サイン会も行われ、講師にご参加いただいた方々が直接お話されるなど、交流を楽しむ時間にもなりました。
今回の公開講座は、第3連携推進センター今年度最終の事業となり、本当に多くの市民の皆様にご参加いただき、普段はなかなか聞けないテーマでもある「老い」や「死」に対する意識の高さがうかがえました。じっくりと、時には楽しく考えていただける機会になったことと思います。ありがとうございました。