8月22日(木)第2回 多職種合同グループワーク
和歌山市第3在宅医療介護連携推進センターでは、毎年、医療・介護・福祉等関係者の方の情報交換、共有を深めることを目的に「多職種合同グループワーク」を開催しています。
第2回目は、8月22日(木)に「実践!ACP基礎講座~ACP(人生会議)ココがわからないを解決しよう!~」と題し、医療法人 匡慈会 伏虎リハビリテーション病院 院長兼理事長の中谷匡登による講演とロールプレイをおこないました。
講義の中で、「ACP(人生会議)は、人生の最終段階における医療・ケアを決定するプロセスの中で、終末期を含めた今後の医療や介護について話し合っておくことであり、何かを決定することではありません。話し合いを通じて、本人の価値観を明らかにし、これからの治療やケアの目標を明確にする過程(プロセス)のことです。」「本人が何を大切にして生きてきたか、どう生きたいと考えているかをわかっていたら、本人が意思決定できなくなった時にも、代理決定者が負担を感じず、より本人の要望に沿った選択ができます。」と述べられました。そして、「ACPは、意思決定ができなくなる前に、『人生の最終段階』を自分のこととして考えられる時期に代理決定者とともに実施することが望ましいが、すべての人に実施しようと思わなくてもよい。」と語られました。
また、医療関係者でもACPと混同しやすいこととして、医療現場で治療方針を決定するのが「インフォームドコンセント」、延命措置を決定するのが「DNAR」や「リビングウィル」であることを挙げ、それぞれの目的や取扱う情報、誰から誰に行うのかなどの違いがあることを説明され、理解が深まりました。また、本人にとってより適切なACP介入のタイミングを見つけるための「サプライズクエスチョン」や「SPICT」「もしバナゲーム」についても紹介がありました。
後半は、事例を通し、二人一組になり説明する役、患者さま役にわかれてロールプレイを行いました。ロールプレイは初めてという方もいらっしゃいましたが、皆様熱心に取り組まれていました。発表では、活発な意見交換がなされ、「寄り添う難しさや『聴く』『話す』スキルの必要性を感じた。」「説明する役の重責感を感じ、多職種連携でACPができるよう知識やスキルを上げていきたい。」などの感想がきかれました。また、「初めてACPを知り、自分の人生を振り返る機会を持つ必要性を感じた。」という意見もあり、自分自身の課題としてとらえた方もいらっしゃいました。
講師の講評では、「ACPをとても重く捉えてしまいがちだが、普段の会話の中で、どう考えているか聴いておく『雑談の中のACP』から始めてみましょう。」と話されました。
終了後は、ざっくばらんに名刺交換や交流を楽しんでいただきました。
次回は、11月21日(木)18:30~20:30中央コミュニティセンターにおいて、「もしもの時の話しあい『もしバナゲーム』を体験しよう!」と題し、開催予定です。詳細は追ってご案内いたします。