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医療法人匡慈会 伏虎リハビリテーション病院

第3回 多職種合同グループワーク

2019年11月29日 UP

和歌山市第3在宅医療介護連携推進センターでは、毎年、医療・介護・福祉等関係者の方の情報交換、共有を深めることを目的に「多職種合同グループワーク」を開催しています。

第3回目は、11月21日(木)に「もしものときの話しあい『もしバナゲーム』を体験しよう!」と題し、わかやまもしバナ倶楽部 北田 千惠氏  武田 悦子氏による講義と「もしバナゲーム」体験をおこないました。

まず、武田氏は、厚生労働省が普及啓発に取り組むACP(人生会議)について触れ、「皆さんは、支援者としてACPの必要性をご存知ですが、ご自分のこととしてはどうでしょうか?」と参加者に投げかけられました。「話し合う必要性を理解していても、『きっかけがない』『死は忌み嫌うこと』という気持ちで、ついつい後回しにしがちです。また、昔は、普段のお茶の間での会話や近隣の方の死へ関わりから、家族の死生観を知る機会があったが、最近はその機会も失われつつあります。しかし、人はいつ代理決定者になるかもしれず、いざその場に直面した時、ご本人の意思を確認していないことで困惑することも多いのです。」「みんなで支えあいながら、安心して生きていける社会を、自分たちでつくっていく。そのために、私たちひとりひとりができることは何かを考えましょう。『自分はどんな生き方をし、何を大切にして、何を残したいか』自分の生き方・死に方について意思表示しておくことが大切。そんなに難しく考えないで、日常の何気ない会話の中で、大切にしていること・もの・信念を明確化させ、周りの人にもわかってもらえる機会にしてほしい。『もしバナゲーム』は、そのツールになります。」と話されました。

また、iACPもしバナマイスターの北田氏から、「もしバナゲーム」の概要とゲームの方法、もしバナマイスターについての説明がありました。「もしバナゲームは、本人が思う通りの最期を迎えられるように、元気な時から自分の想いを伝えられ、その人の想いを聴けていたらという思いで生まれた、カードを通じて自分と対話するゲーム。ACPを決めるためや終活ノート、病院の事前指示書を書くために使うものではありません。縁起でもない話を身近なものにし、価値観の選択肢や自分の引き出しを増やし、大切なのは、価値観の“ゆらぎ”を感じること。グループでゲームを行うことで、ほかの人の価値観に触れ、そのことにより自分の価値観にも気づきや迷いが生じる。

その“ゆらぎ”を感じることが、価値観は多様であって良いし、あいまいであって良いのだと受け入れられる力につながります。ゲームを通して、もしものときの自分の意向や代理決定者としてのふるまいについて捉えなおすきっかけになります。」と話されました。

続いて、もしバナマイスターの内田嘉高氏にもファシリテーターとしてご参加いただき、ゲームを行いました。自分が治療困難な病気で生命の危機が迫っており、あと半年から1年の命と言われたら、何を大切にしたいかを考えカードを選択し、選んだ5枚のカードの中から特に大切な3枚を選びます。その3枚を選んだ理由を考え、グループの中で共有しました。その後、ゲームを通じて感じたこと、気づいたことなど自由に話しあいました。「もしバナゲームは初めて」という方がほとんどでしたが、和気あいあいとした温かい雰囲気の中、普段のお仕事では見せない個人的なお話まで、深く熱心に話し合われました。

各グループの発表では、「自分の価値観が明確になり、その人の立場や状況によって大切にしていることが違い、そんな考えもあるのだと感じられた。」「日頃あまり考えないことを考える機会になった。」「優先順位や価値観は変わってよいのだとわかった。」などの感想が聞かれました。また、「何度も時期を変えて、家族や身近な人たちともやってみたい。」「他の職員にも受けてほしいので、第2弾の研修をしてほしい。」というご要望も承りました。

最後に、理事長の中谷匡登より「もしバナゲームは、不思議なゲームです。何回かゲームを重ねると、自分の中の気持ちや意識が変わるタイミングに、以前は意識しなかったカードを選んだり、カードが巡ってくる感覚を受けます。一人ゲームをして自分と向き合うこともできるので、遊び感覚で繰り返しゲームをしてみてください。」と話されました。

閉会後も、参加者同士で話し合う姿が見られ、地域にこのように熱心な多職種の皆さまがいらっしゃることに心強さを感じるとともに、皆さまの輪が広がる喜びを感じました。

わかやまもしバナ倶楽部の北田様、武田様、内田様ありがとうございました。

次回は、来年2月13日(木)18:30~20:30中央コミュニティセンターにおいて、「ざっくばらんに多職種連携!」と題し、開催予定です。詳細は追ってご案内いたします。ぜひ、ご参加ください。

 

※ACP(人生会議)、もしバナゲームについては下記をご参照ください。

厚生労働省×神戸大学のホームページ http://www.med.kobe-u.ac.jp/jinsei/index.html

一般社団法人iACP(Instiute of Advance Care Planning)ホームページ https://www.i-acp.org

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