第6回 伏虎リハビリテーション病院学習会「精神科看護師から直接学ぼう!高齢者の精神症状への対応」
12月20日(金)和歌山市第3在宅医療介護連携推進センター主催「精神科看護師から直接学ぼう!高齢者の精神症状への対応」と題して、第6回「伏虎リハビリテーション病院学習会」を開催いたしました。今回、定員を超えるお申込みがあり、急遽増員し52名の方にご参加いただきました。
講師の特定医療法人 旭会 和歌浦病院 副看護師長 中元章浩氏より、認知症を中心に①認知症の種類と症状②薬剤について③精神科病院での対応についてのお話がありました。
その中で「アルツハイマー型と診断された認知症のほとんどが、レビー小体型や前頭側頭型を併発しているケースが多く、診断名ではなく、症状を中心にケアをする必要がある。症状の中でも、妄想・幻視・幻聴は、本人にとって現実に起きていることであると捉え、否定しない。また、パーキンソニズムによる転倒も多いが、脱水や肺炎・尿路感染症など身体症状の有無が転倒に関わっているため、特に施設や在宅で把握してほしい点です。」と話されました。「なぜ、その精神症状が起こっているのかを考える。暴力においては、本人は暴力を起こそうと思っていない。“腕を振ったら当たった”“手をはねのけようとしただけ”“その人を見ると気分が悪くなる”もしくは、妄想などの対象になっているということもある。対処としては、物理的に距離をとる、妄想になっている対象者をケアから外すなど、事故が起こらない体制をとる必要があります。」と話されました。注意すべき点として、暴力を受けた被害者について、対応によっては二次被害 (パワーハラスメント)につながるとも言及されました。対応方法については、現在注目されている認知症対策「ユマニチュード」や、薬の使用方法「コウノメソッド」「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)」や、製薬会社が発行している「レビー小体型認知症の診断と治療」の冊子や医療関係者向けのサイトについても、ご紹介されました。
精神科への入院について、入院形態について(任意入院・医療保護入院)ついての説明がありました。認知症の場合、責任能力の有無により任意ではなく医療保護入院になるため、家族等の同意が必要となる。入院が必要ではないかと迷った際は、まず、精神科病院の相談窓口に相談し、外来受診をお勧めします。」と結ばれました。
研修後も、個々の相談や対応についての質問が相次ぎ、講師を含めた参加者で交流していただく機会となりました。
次回は、2020年2月21日(金)「自立を促す福祉用具の選択方法~理学療法士から見た福祉用具を選ぶポイント~」です。詳細は後日ご案内いたします。