1月18日(土)「自分力アップ!現場ですぐに活かせるコーチング・コミュニケーション」
和歌山市第3在宅医療介護連携推進センターでは、1月18日(土)に「自分力アップ!現場ですぐに活かせるコーチング・コミュニケーション」と題し、研修会をおこないました。
講師の和歌山県臨床コーチング研究会 世話人 原 隆亮氏は、まず「コーチングは、コーチが誘導するのではなく、クライアントに寄り添い、本人が望む場所(目的)に一緒に走っていく。コミュニケーションをとりながら、本人の中にある答えを引き出すことです。皆さんの現場などでの、コミュニケーションのヒントにしていただき、考える機会になればうれしいです。」と話されました。
次に、コーチングの元祖と言われるアドラー心理学の目的論・課題の分離・共同体感覚について、親子関係や職場の人間関係、ご自身の「しくじり店長」の経験談から具体的に説明され、「アドラーは『人間の行動には、目的がある。』と言っています。その人の目的から、具体的に繰り返し掘り下げていくことで、その人の中にある答え(行動)が出てくる。それを引き出すことがコーチング。学びや訓練を重ねることで、『コーチ筋』が鍛えられ、より良いコミュニケーションにつながります。」と話されました。
続いて、認定プロフェッショナル・コーチの太田カ与子氏にもサポーターとしてご参加いただき、「先延ばしにしていること」をテーマに、原因論と目的論の2パターンで質問をするというワークをしました。「コーチングの研修は初めて」という方がほとんどでしたが、和気あいあいと楽しく熱心にワークに取り組みました。「いかに原因論で考えて質問しているか分かった。」「目的論での問いかけで、相手の表情が変わり、どんどん話が広がった。」などの感想が聞かれました。
また、1on1(ワン・オン・ワン)のデモンストレーションでは、1on1導入のメリットとデメリットや課題について説明があり、実際にコーチから、「どのようになったらいいか?(目的)」「そのためにできそうなこと(行動)それができたらどんな良いことがあるか?」と問いかけ「具体的には?」と繰り返し質問していきました。「あえて『具体的に』と掘り下げることで、普段考えていないことや、気持ちの奥底にあるものに自分で気づく。その『気づかせる技術』がコーチング技術です。」と話され、1on1とコーチングの関係についても理解が深まりました。
ポジションチェンジ(相手の立場になる)のデモンストレーションでは、実際にいすを使用して相手を思い浮かべながら、①自分から相手を見る②相手側の椅子に座り相手の中に入る③相手から自分を見る④外から俯瞰して二人を見るという手法でおこなわれ、参加者から「『相手の立場に立つ』とよく言うし指導するが、実際に相手の中に入るという方法は衝撃的だった。」「相手を体感できる。」という感想が聞かれました。
他にもコーチングを学べる団体や手法を紹介され、最後に、「コーチングを理解するには、実際に体験することが一番の近道です。ぜひ、コーチングを体験してみて下さい。」と結ばれました。