緩和ケア
緩和ケアとは
今や、日本人の2人に1人はがんになるといわれ、がんは身近な病気となりました。がんを患う方の約8割は何らかの痛みを感じ、痛みに対する治療が必要となっています。
患者さんのからだや心のさまざまな苦痛を取り除き、QOL(Quality of Life=人がより人間らしく生きていくこと)を高めていく医療を「緩和ケア」といいます。つまり緩和ケアは、がん治療の初期段階から行う、患者さんが感じるがんの痛み(身体的な痛み)だけでなく、これにからみ合う複雑な痛み(トータルペイン=全人的な痛み)を軽減させる治療であるといえます。がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。
緩和ケアチームとは
がん疾患を有する方の症状を緩和することを目的に、痛みが軽減し、出できるようになり、患者サポートセンターの看護師・MSW(メディカルソーシャルワーカー)の協力で退院が出来るよう多職種が専門チームとして協働することです。患者さまのQOLの向上を目的としています。
医療用麻薬とは
みなさん、「麻薬」という言葉に対し、どのような印象をお持ちですか?中毒、怖い、死に近づく…と思われた方も少なくないのではないかと思います。がん性疼痛に使用するのは「医療用麻薬」と呼ばれ、正しく使用すれば安全で有効なお薬です。実際、手術直後の痛みがほとんどないのも、医療用麻薬のおかげであることが多いのです。代表的な副作用は、「眠気」、「吐き気」、「便秘」と3つありますが、副作用を軽減するお薬と併用して服用することで、それらの副作用の出現頻度を抑えることができます。
痛いけど…薬を飲まなくても、我慢できる!そう感じていませんか?
おひとりで悩んでいませんか?
痛みを我慢することは、体力・食欲などいろんなものを身体から奪います。私たち緩和ケアチームは、患者さま1人1人が持つさまざまな痛みに対し、どのようにすれば痛みのない、笑顔のある生活が送れるか、患者さまやご家族が抱えている悩みや不安を聴かせていただけるか、常日頃より考えています。そして痛みからの解放をモットーに、少しでも患者さま、ご家族と身近な存在になることで、何かお手伝いさせていただければと思っております。
緩和ケアチームより
緩和ケアに必要なものは、医療スタッフの技術、知識や思いやり、患者さまご家族の思いやりと協力、そして患者さまご自身の協力と意思表示です。各専門家から知恵が集約され、患者さまとご家族との十分な話し合いの上に、オーダーメイドの緩和ケアが生まれます。 入院の患者さまだけでなく、当院外来通院中の患者さま、また近隣の医師、訪問看護ステーション他多くの方にも、患者サポートセンターを通じて、私たち緩和ケアチームのオーダーメイドのきめ細やかなケアを受けていただきたいと思っています。みなさまからのご相談、心よりお待ちしております。